すべての人にアートを

仙台を拠点に活動するNPO法人アートワークショップすんぷちょの活動ブログです。

人形劇であそぼっ!~岩手県滝沢市で開催してきました~

近年の人口増加を背景に、最近「村」から「市」へ生まれ変わった岩手県滝沢市
盛岡から車で1分ほどのこの町で、親子でアートにふれあい、交流するワークショップを開催しています。
今年は4回シリーズでいままでダンス、演劇、積み木ワークショップを開催し、たくさんの親子さんと楽しい時間をすごしてきました。

そして2月13日日曜日の最終回は、「人形劇であそぼっ!」を人形遣いの伊藤哲(以下てっちゃん)と一緒に届けてきました。
7組の親子さん22名の参加があり、0歳から5歳までの子ども達と楽しみました。

 

てっちゃんの人形劇プログラム「イモムシくんの冒険」は先日登米市でお披露目したばかり。
更にブラッシュアップして改良されていました。
さらに今回はみやぎ親子読書の会の佐々木博美さん(親子遊びやわらべ歌、絵本の読み聞のエキスパート)と、ダンサーの佐々木大喜さんがアシスタントで来てくださり、てっちゃんのワークショップをフォローしていました。

 

靴下で作った卵がかえって、イモムシになるシーン、イモムシくんがサナギから蝶々になって飛び立つシーンは親子揃って歓声があがりました。

 

今回のシリーズはすんぷちょ会員で作品にも出演してくれている方が現在滝沢市で子育てをしており、子どもを連れてのびのび遊べるイベントやアートに触れる機会が少ない!という実感があり、ならば岩手へ!ということで、すんぷちょ主催で開催してきました。
今回で終わってしまうのは正直残念、というか4回の実施では課題を解決する糸口を見出すことぐらいしかできません。今後岩手で、滝沢で子育てするママ、パパたちがアートを通して豊かな時間を持つためにはどうしたらいいか。まずは当事者の話を聞いてみよう!ということで今回の実施の後、毎回設けているお茶っこのみの時間にヒアリングしてみました。

まずは、ママたちの声をどうぞ。
「4月から娘が保育園に通うことになっていて、集団の中でどう過ごすのか気になって今回参加しました。はじめは母親から離れなかったけど終わる頃に慣れてきたみたいです。高価なおもちゃを買わなくても、身近な靴下でこんなに楽しい時間を作れること、わらべ歌などの表現の力で子どもも笑顔になるんだって、いろいろヒントになりました。それから、仙台から時間をかけてみなさんが来てくれて、なんか無償の愛を感じました。日頃、子育てしていて何も悪くないのに、「すみません、すみません」って言ってばかりで。。子育てを応援してくれる方がいることがありがたいです。これからも子育て楽しみたいと思います」

「兄弟で外に出かけていっても、ケンカしたり、ママの取り合いで、迷惑かけると思ってしまう。今回のような、自由にさせてもらってのびのびできる場が毎週身近にあったらいいなと思います。参加してみて自分も前向きになりました。」

「土日の過ごし方っていつも悩みます。近くに親子で出かけられる場所ってあまり無くて、イオンくらい。でもイオンに行ってもお金を使うし・・・。連休なんてほんと憂鬱です。親子で何か一緒にしたい、ふれあう時間を持ちたい思って参加しました。目に見えないものを想像して遊ぶことにワクワクしました。今回のようにアーティストの方や他の人の力を借りて、想像力を使う遊びを子どもとしたいって思います」

「今までのシリーズも参加したいと思っていたんだけど、子どもが落ち着きがなくて迷惑かけると思って躊躇していました。でも今回参加してもっと早くから来ていればと思いました。行政がやっている子育て支援の施設はあまり自由にさせてあげられないのです。親がちゃんと見ていて!座らせてて!っていう雰囲気で。いつも平日子どもと一緒にいて、明日はどこへ行こう、どこで遊ぼうって悩みます。」

「子どもは自我が強くて、何か自己表現できる場所があればいいなって思っていて参加しました。芸術を通して自分を表現したり、自分の意見を言えるようになるってすごく大事だなって感じています。今日のワークショップはそのヒントになりました。来年もぜひ継続してください!」

ママたちの話を聞いていて、親子でふれあい遊びをする、アートを通して交流する、その目的が間違っていなかったこと、そしてもっと求められている!という枯渇感をひしひしと感じました。これからも続けなければ!(それにしても土日に子連れで出かけられる場所がイオンて、、、。他の地域でも起こり得ることですが、先進国としての文化政策にしょんぼりします。)

でも、と思うのです。
仙台から今後ずっと行き続けるより、もっと地域に根ざして長く続けられる実施の形は無いものか。
そう思っていると、参加してくださった方から「今度は運営で何か力になりたい!」「次回は主催側で参加したい!」「4月から仕事はじまるけどなにか手伝いたい!」と、心強い申し出がありました!

これはとっても嬉しいことだし、1つの成果だと思います。

来年度どんな形で開催できるか、これから岩手のみなさんと一緒に、企画していきたいと思います。
もちろん仲間も募集しています。岩手の子育てが楽しくなること、一緒に考えませんか?(おいかわたかこ)
 

人形劇であそぼっ!in登米~イモムシくんの冒険~

1月某日。登米市南方子育て支援センターにて、アートであそぼっシリーズin登米「人形劇であそぼっ!」を開催しました。人形劇であそぼっは、人形遣いの伊藤哲さんのプログラムで、未就学児を対象とした人形劇ワークショップです。

アートであそぼっ!シリーズは2017年1月~3月まで月に1回開催する、人形劇、ダンス、演劇のワークショップです。平日の昼間、子育て中の親子さんを対象に、アートに触れながら親子同士、親同士の交流を目的に、南方子育て支援センターさんのご協力で企画しています。また広報や当日運営には登米市のコミュニケーションタイム代表の太田久美子さんにもご協力頂きました。

さて第一回目は伊藤哲さん、通称てっちゃんの人形劇プログラム。
実はてっちゃん、人形遣いとしては長年のキャリアをお持ちなのですが、未就学児を対象としたワークショップは初めてとのこと。今回の依頼を受けて、0から作ったプログラムのお披露目となりました。

てっちゃんは現在すんぷちょが取り組んでいる「重度障害や自閉症の子どもたちに演劇を届けるプロジェクト」のきっかけとなった英国劇団オイリーカートのワークショップにも参加しており、今回のプログラムにもその学びがたくさん生かされていました。

開始30分前から衣装を着て、相棒のイモムシくんと表れたてっちゃん。
次々と会場にやってくる親子さんたちとご挨拶したり、遊んだりし始めました。

本編が始まる前から、子ども達が登場人物やアーティストと触れ合う時間を持つことは、とても重要なことです。この導入時間はたっぷり15分から30分、時間が許すならそれ以上でも、とった方がいいと最近分かってきました。子どもにとって、はじめての人、物(この場合は小道具)、場所、に慣れて、興味が出てきたり一緒に遊んでもいいと分かってくるまでの時間がそれくらいかかるということです。

会場に入るなり、イモムシ君とてっちゃんを見つけた男の子、視線が釘付けになっていました。「あれは何だろう(誰だろう)!?」という表情。
ゆっくり近づいていって、イモムシ君のフサフサの毛(毛なのか!?)に触ってみたり、挨拶をしてみたり。距離を縮めていきました。
 

時間になると、まずは円になって、物語が始まります。
イモムシ君とお話できるのはてっちゃんだけ。イモムシ君の声をてっちゃんが聞いてみんなに伝えてくれます。
今回用意した小道具は靴下でつくった卵。2枚かさねてくるくると巻いて卵型にしたものを1つずつ渡します。
「大きく、大きく、大きくなあれ!」
みんなで声をかけながら、靴下(の形をした卵)をひっくり返すと、、イモムシが生まれてくるという仕掛け。靴下のつま先部分に目が縫い付けられています。

手にはめたイモムシ君で、わらべ歌を使って親子のふれあいあそびが始まります。
「イモムシ、イモムシ、どこいくの、イモムシ、イモムシ、ママの鼻~」
でママの鼻をこちょこちょこちょ!
靴下さえあれば、家でも出来そうな遊びです。

最後のシーンではイモムシくんはお散歩に疲れて眠ってしまいます。
でもてっちゃんにだけ聞こえるイモムシ君の声によると「もっと大きくなりたい!」とのこと。

またみんなであの歌を歌います。
「大きく、大きく、大きくなあれ!」
すると、大きな羽根を羽ばたかせて、大きな蝶々が産まれました!
みんな大歓声!

子ども達には紙で作った蝶々の指人形をプレゼントしました。
指にはめてパタパタ~っと、蝶々が色々な場所に飛んでいく遊びをすることができます。

約40分のプログラムはあっというまに終了。
参加した保護者の方からは「とても楽しかった!次回のダンスも必ず来ます!」と感想を頂きました。
職員の方の振り返りでは
「ふれあい遊びや歌でわーっと騒がしくなっていても、てっちゃんが話し始めると、子ども達が一瞬で「聞く」モードになっているのがすごいと思った。役者さんが引き付けるのだなと思った」と感想を頂きました。

またてっちゃんは、
「反省点や修正点もたくさんありますが、まずは子ども達が楽しんでくれてよかった。職員の方々の関わり方がとても良くてフォローしていただいた」と話していました。

このプログラムは2月11日岩手県滝沢市老人福祉センターでも上演予定です。
たくさんのご参加お待ちしております。
また次回のアートであそぼっ!in登米は2月23日の開催、詳しくはHPで!
http://www.sun-pucho.com/news/20170207

 

ニョロニョロニョロ・・・で出来た即興ダンス!

(先々週1月28日のオドリノタネの報告です!)

本日のファシリテーター
西海石 みかささん。
大人9名(うち障がい者2名)
子供・乳幼児9名(うち障がい児5名)
計18名の賑やかなオドリノタネになりました。

外は冷たい風が吹きとても寒かったので、部屋は暖かくしていたのですが…あっという間に暖房いらず!
みんなの元気と熱気で汗をかくほどに気温が上昇!

初めましての赤ちゃんも初めましてのお兄ちゃん・妹ちゃんも。もちろんママさんも!
一緒になって踊り、駆け回りました。
 
なんと本日、初の⁉︎即興ダンス対決。二組に分かれて3分?2分?という短い時間で即興でダンスを作り競いました!まずは動画をどうぞ!


『ニョロニョロニョロニョロ…おしょおすな…あん・こ・もち!』
なんだろう?この会話。。
これが即興ダンスが出来上がる流れの一部。

気になった方は
是非!
百聞は一見にしかず!

障がいがあってもなくてもみんな楽しいは共通。
踊るって共通。
できる事で無理なく参加すればいい。
チョットの『なんだ?これは?』の気になる気持ちを一歩踏み出せば…
大きな一歩になるかも⁉︎

オドリノタネ参加してみませんか?

今日も笑顔がたくさん溢れた時間でした。(しらとりしほ)

へんてこりんがおもしろい

感染症流行中。

誰々が、インフルエンザに罹ったなんて話がつきない中、2月4日のオドリノタネは、元気な20名の方の、参加がありました。ファシリテーターは西海石みかささんです。

初めまして、久しぶりの方も多いので、最初は自己紹介。
名前と、今の気分を、「ごはん」で表してみよう!
え?気分ってごはんで表せるの?へんてこりん!

でも「あったかい汁物」「たまごかけごはん」「みかん」「さんまの甘露煮」「とうもろこし」?なんて、色んな食べ物がでてきて、あの人、こういう気分なんだな、こういう食べ物が好きなんだなって、分かったよ。

次は、椅子取りゲーム。
普通は、並べられた椅子に座ることを競うよね。
でも、今日の椅子取りゲームは、並べられた椅子に「全員」が座れることを競うのだ!
え?そんなルールじゃ、だれが勝つか、分からないじゃない、へんてこりん!

でも、音楽がストップしたら、みんなが座れるように、協力し て、席を詰め合う。
みんな座れた時は、嬉しかったよ。勝ってもないけど、負けてもないんだ。

子どもが、大人に、言うことを聞かせよう。
え?大人が子どもに言うことを聞かせるんじゃないの?
そんな、わがままさせて、大丈夫?へんてこりん!

手や足の位置を動かして、変なポーズをさせたり、行きたい方向に、大人を引っ張ったり。
子どもの言いなりになる大人って面白いね!子どももわくわくしてきた。
それまで、周りの様子を伺うだけだった子も、ママの手を引っ張ってみたら、楽しくなっちゃって、最後はみんなと一緒に、踊っていたよ。
 

こうあるべき、こうしなくちゃって、普段は、それに縛られてるんだな。この、オドリノタネの時間だけ、その縛りから、ちょっと、逃れてみたら、ちょっとだけ、頭の中が、ゆるっとしてきたよ。

たまには、へんてこりんを楽しんでみるのも、いいかもね。

最後はたくさん音楽に合わせてダンスをしたよ!
沢山踊ったら、汗かくくらい、ぽっかぽかの室内でした!(さとうじゅんこ)

2月3月オドリノタネ日程と場所はこちら→http://www.sun-pucho.com/news/20170125

ダンスであそぼっ~シルクドエール~

平成23年から始まった文化庁芸術家派遣事業(震災対応)の一環で、仙台市内にある聖愛幼稚園にダンスプログラムを届けてきました。
大きな通りから細い横道に入った先にある、とても小さな幼稚園。
2回は礼拝堂になっていて、3階建ての建物の屋根には十字架が掲げられています。
こじんまりとした佇まいに、慈愛に満ちたぬくもりが感じられるとっても素敵な幼稚園でした。

プログラムを届けたアーティストは西海石みかささん(ダンサー、振付家、演出家)渋谷裕子さん(ダンサー)佐々木大喜さん(ダンサー)の、すんぷちょではおなじみのみなさんです。

今回お届けした「ダンスであそぼっ」は幼稚園との打ち合わせの後に、ゼロから創作した新しいプログラム!オイリーカートの学びが随所に生かされています。

事前資料の作成
まずは「ソーシャルストーリー」のような事前資料。「のような」としたのは、自閉症スペクトラム発達障害児の生活をより生きやすくするためのソーシャルストーリーについては最近専門のワークショップを経てから製作しないと、危険なことも分かってきたからです。国内でも専門書が多く出ていて、詳しい文例が載っている本もあります。今後は学びを深め、鑑賞の手助けになるソーシャルストーリーはどんなものか、探っていくつもりです。(http://www.nara-edu.ac.jp/CSNE/guide/parents/qa16.html/ソーシャルストーリーとは?)

今回の実施では、障害のある子どもは少なく、未就学児の子ども達が対象だったので、事前資料を手作りの絵本にして一週間前に幼稚園にお届けしました。
俳優の写真をとって、切って貼って、色を塗って。。「なんてアナログ。。」と自分てつっこみを入れつつ(オイリーカートのそれはアートブックのようなスタイリッシュかつ綺麗な仕上がりでした)、いやでも子どもにとってはこちらの方が親しみやすいよね。とフォローしつつ。(本来ソーシャルストーリーは色などに注意が向かないようシンプルな線とモノクロで描くのだそうです)
なかなか素敵に出来上がりました。

内容をどうすべきか、悩みましたが、そんな時オイリーカートの芸術監督ティムの言葉が脳内に響きます。

「大事なことはシンプルに。シンプルが美しい」


登場人物の紹介と「みんなとこんなことをするよ!」という内容の紹介で6ページ。
  

これが、とても効果的でした。
当日幼稚園に到着して準備を始めると園児達がこの本を片手に「あっ!ボタンさんだ」「ねぇ、あなたのこと知ってる!ポケットさんでしょ!」と出演者達に声をかけてくれたのです。
先生に聞くと、事前にクラスで回して読み聞かせ、廊下にも展示してくれていたとのこと。
 

絵本ですでに知っている登場人物が現れて、自分の側にある「知ってる」という記憶や知識と、その人たちがこれからどんなことをするんだろう?という期待が俳優とであった瞬間に溢れ出た、そんな瞬間でした。
子ども達の意識や興味が、プログラムが始まる前から(出演者は衣装すらまだ着ていない。。)出演者に向いている状態。事前資料の手ごたえを感じました。

導入の時間にたっぷり時間をかける
プログラムが始まる前、小道具を教室の真ん中に出しておいて、子ども達に自由に遊んでもらいました。これも非常に効果的でした。大きな布を身体に巻きつけてドレスにする子、綿を入れて作った火の輪に2人で入って電車ごっこする子、小道具が入っていたカートに入ってバスごっこをする子、「その道具、そうやっても遊べるのか!」という発見がたくさんありました。

  
(ちなみにこの木の箱のカート、私の父が昔作ってくれたおもちゃ入れです、こうやって活用する時がこようとは。。)
本編が始まるとそのアイディアをもとに子ども達がどんどんワークに参加して、時には物語を前に進めてくれました。作品を創るとき、ついつい本編が始まってからのお楽しみ!ネタバレ注意!みたいに考えがちですが、事前に慣れ親しむことが本当に重要!という気付きは今回の大きな収穫です。(セミナーで知っていても実践の中で直面しないと実感が沸かないものですね)
子どもが積極的に関わるきかっけや種を作ることが出来るのですね。

音楽と衣装も全部手作り
また、今回は「音楽」と「衣装」も全て手作り。
音楽はすんぷちょを応援してくださっている方に作曲をお願いし、ウクレレ、鍵盤ハーモニカ、おもちゃの木琴で演奏しました。今回のメンバーは3人でしたが、プログラムに生演奏を加えるにはもう1人、演奏のみの音楽家が必要!というのが反省です。演奏もしてファシリテートもして、、というのはかなり忙しい。
オイリーカートも基本的なメンバーは4人(3人の俳優と1人の音楽家)というのが頷けました。

実は、この音楽で私は本編中1度泣きました。
それは子ども達の名前を呼ぶ歌のとき。ダンサー達が歌っていた歌に子ども達の名前が出てきた瞬間、名前を歌われた子の顔がパァっと輝きました。そして「わたしも!わたしも!」と一斉に自分の名前を教えてくれたのです。そのやりとりがとても優しくて、素敵で、子ども1人1人が尊重されている光景に、「こういうことがやりたかったんだよなぁ」とじーんときてしまいました。(これだからこの仕事は病みつきになるのです)

また今回の衣装や小道具はダンサー佐々木大喜さんのお母様でもあり、すんぷちょの理事、佐々木博美さんの手作り。ご家族に仕立て屋さんもいらっしゃる博美さんの腕前はプロ級。細かい始末まで美しく作られていました。
 

今回のような出前ワークショップの場合、物語の世界を醸し出すことができるビジュアル的なものは、衣装の存在が大きく占めています。幼稚園に大きなセットや照明などは無いからです。
色味や素材にこだわり、キャラクターを人目で分かるようなデザインにするには、、、、あーでもないこーでもないと博美さんと試行錯誤を続け、製作は深夜まで続きました。

子どもが物語を進めた瞬間

3人の登場人物のうち、チャックさん(佐々木大喜さん)は、口ではお話しない設定になっています。しゃべるときは衣装のベストに縫いつけられたチャックでしゃべります。
「ジジジジジッ、ジジ、ジジジジジ」
チャックさんがしゃべるとき、それまでワーキャーと遊んでいた子ども達が一斉に「シーーン」となり、耳を傾けました。「何て言ってるのかな?」「え?そうなの!」物語の前半では他の2人のダンサーが訳していたのですが、本編の最後のシーンでチャックさんがしゃべった時。
「もう帰らなくちゃいけないって!」
子どもが訳して物語を前に進めてくれたのです。これには先生もびっくりでした。
 
実施後の振り返りでは校長先生から
「アーティストがスターなのではなく、ファシリテーターになっていたのがよかった。(子どもが主体に動いている点が良かった」
また担当の先生からは
「始まる前に自由に遊ぶ時間があるのが良かったです。話の流れで道具が全部無くなっちゃった時、道具がなくても想像すれば遊べるんだ!と子ども達が自分で「はっ」と気が付く瞬間が良かったです」と、感想を頂きました。

今回の実施はオイリーカートから学んだことを色々と試す機会となり、反省もたくさんあります。
でもこうして創作、実施、ブラッシュアップ、創作、実施、ブラッシュアップを重ねていって、良いプログラムを作っていくという方向性がはっきり見えてきました。

現在クラウドファンディングに取りくんでいる重度重複障害や自閉症の子ども達に感覚で伝わる演劇を届けたいのプロジェクトは、重度障害や自閉症スペクトラムの子ども達にフォーカスして創作するプログラムです。細部まで、作り手の気持ちがこもった優しくも美しいプログラムを作っていきたいと思います。ぜひ皆様の応援、寄付をどうぞよろしくお願いします。(おいかわたかこ)
 

 

ファッションショー!~白いウェディングドレス~

新年を迎えて2回目のオドリノタネは10-box box3で行われました。

参加者は、少なめの大人3名、子ども1名! ファシリテーターはいつもの西海石みかささんに変わって、すんぷちょ代表の及川多香子が行いました。

はじめに目を引いたのは、いつもはない何枚もの白い紙と色とりどりのビニールひも、テープでした。
「今日は、これらを使って服を作ろう!」 このひと言で、いつもと違うオドリノタネが始まりました。

くしゃくしゃにしたり、ちぎったり、かぶったり、しばったり・・・ めいめい自分の考えるファッションを形作っていきます。

特にひと際目立ったのは、Aさん。 フリルとなった白い紙を腰に巻きつけるとウエディングドレスのよう! 本人も、 「昔は白いドレスなんてなくて、着てみたかったのよね」 と嬉しそうにおっしゃってました。 最後に、動きをつけてファッションショーをしました。
テーマは「自分の生まれた干支」 !動画で、お楽しみあ〜れ!かなりシュールです。(きくちまお)

(動画は映っている方全員の許可のもと公開しています)

(2月3月オドリノタネ日程と場所)→http://www.sun-pucho.com/news/20170125

【すんぷちょダンスの面白いところ~来て見て踊って!~】

2017年最初のオドリノタネ、年末年始は降らなかった雪がチラチラと降る中、1月14日(土)スタートしました! ファシリテーターは西海石みかささん。

新年1回目だし、雪だし…人数は少なめでまったりと開始。
自己紹介では、新年の抱負というかチャレンジしたいことなどを発表しあいました。言葉にしたほうが叶うっていうし、せっかくだから実現させたいなぁなんて思っていると…
「こんにちは~」「あけましておめでとうございます~」と途中から参加の方々が続々と!

新年から嬉しい! 人数が多いと、ダンスも盛り上がります。まるでディスコタイムのよう! オドリノタネでは毎回やることは違いますが、お馴染みの曲とダンスがあります。

間奏でのソロダンスが光る曲
フライパンを無心に振ったりたまごを掴んでは食べる曲
せーの!はいっ!というかけ声から始まるダンスで毎回さびしんぼうポーズが違う曲
+-×÷のポーズがかっこいい豆ダンス

これらの振り付けは、すんぷちょが今まで活動してきた中で即興で作られてきたモノなのです。何てことない題材からピン!ときた形を、繋げて曲に合わせてそれが振りになっています。

これだけ聞くとどんなダンス?と思いますが、百聞は一見にしかず!
一度来てみて踊ってみては??やみつきになる曲とダンスに、お家でも踊ってみたくなったりしますよ~ 次回のオドリノタネではどんなダンスが出てくるかな?寒く固まった体を暖めましょう~!(すがわらかずえ)