すべての人にアートを

仙台を拠点に活動するNPO法人アートワークショップすんぷちょの活動ブログです。

「高齢者×ダンス」プロジェクト始まりました!

高齢者施設でのワークショップをして、利用者の方々と関わって改めて思うことは、利用者のみなさんお一人お一人のこれまでの人生のストーリーに触れることが、とても貴重で尊い時間だなぁということです。
何気ない会話の中で発する、一言一言の重みが違う。
そしてたとえ耳が聞こえなくて、ほとんど何も話せなくても、ワークショップを通して、その方の真面目さや、ユーモアさなど人間味の部分に触れる瞬間がとても面白い。

これまですんぷちょは何度か高齢者施設でのワークショップ(主にダンス)を行ってきましたが、この度、定期的に同じ施設でダンスのワークショップを行うことになりました。
ご協力くださるのは、仙台市太白区門前町にある「デイサービスもんぜん」。ちょうど大年寺の階段を下りて国道286号線を挟んだ向かいにある小規模施設です。
施設長のハルミさんはじめご家族で運営されており、少人数でアットホーム、決め細やかな対応をしてくださいます。実は私の祖父母もこちらにお世話になっており、以前個人的に楽器演奏でボランティアに言ったことがありました。

今後は月1回、ファシリテーターに西海石みかささんを向かえ、高齢者とのダンスワークプログラムを実践と通して確立していこうと思っています。

第一回目は5人の利用者さんと約1時間のワークを楽しみました。
耳が聞こえにくい方がいるので、視覚的に内容が理解できる工夫がされていて、名前を呼び合うときもボールの受け渡しをしたり、色とりどりの風船を使ったりしました。

参加してくれたフジさん(仮名)は御年を伺うと90歳。とても品が良くて、私たちが到着するなりご自宅のお庭で拾ってきたという落ち葉を見せてくださいました。
「ここが赤でね、少し黄色と緑が入っていてね、とても綺麗でしょう。自然のものとは思えないわよね」
笑顔をキラキラさせて見せてくださる姿に、いくつになっても美しいものの心が躍る年齢の重ね方をしたいなぁと思いました。

また最高齢96歳のトシさん(仮名)は、とてもユーモアがあって場を和ませてくれます。
二人組みになってお互いの身体をポンポンとタッピングしたり、摩ったりするワークでは、私の腕を「スベスベして気持ちがいいねぇ」と暖かい柔らかい手で摩ってくださいました。
気持ちがいいのは私のほうで、昔ばあちゃんにしてもらったときのような懐かしい気持ちがよみがえりました。

施設での出前ワークショップといいうと1回きりで終わってしまうものが多いのが現状です。しかし、1回実施したからといってすぐに、身体が以前より動くようになるとか気分が前向きになる、ということはあまりありません。アートワークショップが本来の力を発揮するには、即効薬的にではなく、漢方やハーブのように、継続して積み重ねた先に成果がついてくるものだと考えています。

デイサービスもんぜんさんとファシリテーター西海石みかささんの全面的な協力の下、このプロジェクトでは高齢者施設でのアートワークショップのモデルとなるようなプログラムを実践を交えて、時に実験的に、しかけていこうと考えています。

今後にご期待くださいませ。(おいかわたかこ)