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仙台を拠点に活動するNPO法人アートワークショップすんぷちょの活動ブログです。

人形劇であそぼっ!in登米~イモムシくんの冒険~

1月某日。登米市南方子育て支援センターにて、アートであそぼっシリーズin登米「人形劇であそぼっ!」を開催しました。人形劇であそぼっは、人形遣いの伊藤哲さんのプログラムで、未就学児を対象とした人形劇ワークショップです。

アートであそぼっ!シリーズは2017年1月~3月まで月に1回開催する、人形劇、ダンス、演劇のワークショップです。平日の昼間、子育て中の親子さんを対象に、アートに触れながら親子同士、親同士の交流を目的に、南方子育て支援センターさんのご協力で企画しています。また広報や当日運営には登米市のコミュニケーションタイム代表の太田久美子さんにもご協力頂きました。

さて第一回目は伊藤哲さん、通称てっちゃんの人形劇プログラム。
実はてっちゃん、人形遣いとしては長年のキャリアをお持ちなのですが、未就学児を対象としたワークショップは初めてとのこと。今回の依頼を受けて、0から作ったプログラムのお披露目となりました。

てっちゃんは現在すんぷちょが取り組んでいる「重度障害や自閉症の子どもたちに演劇を届けるプロジェクト」のきっかけとなった英国劇団オイリーカートのワークショップにも参加しており、今回のプログラムにもその学びがたくさん生かされていました。

開始30分前から衣装を着て、相棒のイモムシくんと表れたてっちゃん。
次々と会場にやってくる親子さんたちとご挨拶したり、遊んだりし始めました。

本編が始まる前から、子ども達が登場人物やアーティストと触れ合う時間を持つことは、とても重要なことです。この導入時間はたっぷり15分から30分、時間が許すならそれ以上でも、とった方がいいと最近分かってきました。子どもにとって、はじめての人、物(この場合は小道具)、場所、に慣れて、興味が出てきたり一緒に遊んでもいいと分かってくるまでの時間がそれくらいかかるということです。

会場に入るなり、イモムシ君とてっちゃんを見つけた男の子、視線が釘付けになっていました。「あれは何だろう(誰だろう)!?」という表情。
ゆっくり近づいていって、イモムシ君のフサフサの毛(毛なのか!?)に触ってみたり、挨拶をしてみたり。距離を縮めていきました。
 

時間になると、まずは円になって、物語が始まります。
イモムシ君とお話できるのはてっちゃんだけ。イモムシ君の声をてっちゃんが聞いてみんなに伝えてくれます。
今回用意した小道具は靴下でつくった卵。2枚かさねてくるくると巻いて卵型にしたものを1つずつ渡します。
「大きく、大きく、大きくなあれ!」
みんなで声をかけながら、靴下(の形をした卵)をひっくり返すと、、イモムシが生まれてくるという仕掛け。靴下のつま先部分に目が縫い付けられています。

手にはめたイモムシ君で、わらべ歌を使って親子のふれあいあそびが始まります。
「イモムシ、イモムシ、どこいくの、イモムシ、イモムシ、ママの鼻~」
でママの鼻をこちょこちょこちょ!
靴下さえあれば、家でも出来そうな遊びです。

最後のシーンではイモムシくんはお散歩に疲れて眠ってしまいます。
でもてっちゃんにだけ聞こえるイモムシ君の声によると「もっと大きくなりたい!」とのこと。

またみんなであの歌を歌います。
「大きく、大きく、大きくなあれ!」
すると、大きな羽根を羽ばたかせて、大きな蝶々が産まれました!
みんな大歓声!

子ども達には紙で作った蝶々の指人形をプレゼントしました。
指にはめてパタパタ~っと、蝶々が色々な場所に飛んでいく遊びをすることができます。

約40分のプログラムはあっというまに終了。
参加した保護者の方からは「とても楽しかった!次回のダンスも必ず来ます!」と感想を頂きました。
職員の方の振り返りでは
「ふれあい遊びや歌でわーっと騒がしくなっていても、てっちゃんが話し始めると、子ども達が一瞬で「聞く」モードになっているのがすごいと思った。役者さんが引き付けるのだなと思った」と感想を頂きました。

またてっちゃんは、
「反省点や修正点もたくさんありますが、まずは子ども達が楽しんでくれてよかった。職員の方々の関わり方がとても良くてフォローしていただいた」と話していました。

このプログラムは2月11日岩手県滝沢市老人福祉センターでも上演予定です。
たくさんのご参加お待ちしております。
また次回のアートであそぼっ!in登米は2月23日の開催、詳しくはHPで!
http://www.sun-pucho.com/news/20170207