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仙台を拠点に活動するNPO法人アートワークショップすんぷちょの活動ブログです。

演劇をあらゆる子に!年齢や障害に合わせた作品を支えるもの~英国老舗劇団オイリーカートワークショップ報告~

イギリスからパワフルかつチャーミングなシックスティーオーバーの素敵な芸術家夫妻が来日して、半月が経ちました。劇団オイリーカートの芸術監督ティム氏と美術担当のアマンダ女史。幼児から様々な障害を持つ子ども達のために35年に渡って演劇作品を創り、優しく寄り添ってきた二人から学んだことは何だったのか。
セミナーやワークショップでは知りえること全てが驚きと納得そして感動でしたが、少し時間が経った今、改めて整理し、そして伝えていく、ここ仙台で形にしていくプレッシャーと楽しみの狭間に立っています。 (おいかわたかこ/2016.11.8)

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「“寄り添う”ことは“演劇を楽しむ”ことへの探求」 


オイリーカートには明確なポリシーがあります。「あらゆる類の子ど もたちに、あらゆる類の演劇」を提供すること。この短い言葉の裏側には緻密で繊細、驚くべき量の準備と、寄り添う優しさが伴っていることを、今回知ることができました。
それは時に、障害の種類によって作品の内容を変えるというもの。重度重複障害、自閉症スペクトラム学習障害、年齢は?
子ども達一人一人に適した興味がある。オイリーカートにとって「寄り添う」ことは単に優しく付き添うということではなく、積極的に働きかけて「演劇を楽しむ!」ことを誰に対しても探求していくことでした。



「多感覚演劇、見る、聞く、嗅ぐ、味をみる」
 

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オイリーカートの作品は主に五感に働きかけるパフォーマンスです。彼らはこれを「多感覚演劇」と呼びます。実際に3日間のワークショップではありとあらゆる種類の素材や道具、身近な道具を使って、自分の五感を探求していくことから始まりました。肌で感じる霧吹きの感覚や、料理用ボウルを叩く音、羽の柔らかさ、薄い布から透けてみえる折り紙の色、懐中電灯で作る影の美しさ、どれもとてもシンプルな体験なのですが、改めて試してみるととても新鮮で、面白いものでした。
ワークショップではこれらを組み合わせて、5歳以下の障害を持つ子ども達向けのパフォーマンスを作り、最終日には子ども達の前で発表するという目的が設定されていました。

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ワークショップでは2人1チームになって5分ほどのパフォーマンスを創作しました。
私のチームではビニール傘に白い紙を貼り付けてスクリーンにし、外側から懐中電灯をあてて、内側からその光を子ども達と一緒に見てみるというアイディアを使いました。光は蛍のようにスクリーンを飛び、また動物の目にもなったりします。傘をアイテムに選んだことで、雨をテーマにしよう、雨の音は楽器で表現してみよう、霧吹きで水の冷たい感触を味わえたらいいのではないか、、などなどアイディアのスイッチが入ります。この感覚、子どもの頃身の回りのもので遊びを工夫していた感覚にとても似ています。ピーターブルックの「Play is Play」がまさにこのことだと実感する瞬間です。

15分程度でパフォーマンスを創ってみたら、早速参加者同士でプレビューをします。
ティムから私達のチームには「たくさんの音を同時に鳴らしたり、動きと音を同時に行うのではなく、それらが重ならないように工夫しよう。音を出したら、一度止まって、そして動く。子ども達は何が起きているのか、理解するのに時間がかかる場合がある、もっと全体的にゆっくり時間をかけて」というアドバイスがありました。

実際に創作してみると、あれもこれもとアイディアをたくさん盛り込みがちです。それを短い時間に収めようとするので、音や動きが同時進行してしまうのでした。しかし、学習障害などの知的障害がある子どもほど、目の前で起きていることを理解するプロセスに時間がかかります。そのためには1つ1つの動きに時間をかけ、アイディアとアイディアの間には「ブレスポーズ」という深呼吸して静寂を生み出し、興奮を収める「間」を取り込むことが重要だと学びました。

構造はシンプルに、でもそれが一番難しい。
今回のワークショップの参加者の感想にもその実感が表れていました。

「プレーヤーになると何か伝えなきゃ、関わらなきゃって、思いがちだけど、深く届いたときにはコミュニケーションは生まれるのかなと。“やらなきゃ”が先行しすぎると余計な動きが生まれる、相手の様子をキチンとみることが大事。」
 

「準備は氷山の一角」 

 

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創作だけでなく、上演に向けてのプロデュースや制作段階でも、様々な準備のアイディアが実践されていました。セミナーで紹介されたのは「ソーシャルストーリー」というアイテムです。
これは12ページほどのパンフレットで、登場人物や作品内容が主に写真で紹介されています。
「こんな衣装を着た人が出てくるよ!」
「この人はこんな楽器で音を出すよ!」
など、まるで声が聞こえてきそうな俳優たちの表情と共に、少ない文字とアイコンで作品世界に親しむことができるようになっています。
主に自閉症スペクトラムの子ども達にとって、先を見通せないこと、終わりが見えないことは「不安」を抱かせてしまったり、新しい人に会うことや、見慣れない場所に行くことが怖いと感じてしまうことが多いのだそう。それを解消するのがソーシャルストーリーです。また観劇中にもシーンの展開が書いてあるアイテムを渡すことで、作品の終わりが来ることを伝えておくことも、不安を取り除く手段となっていました。ティムは「これから楽しいことが始まるよ」ということを伝えることが、社会的な関わり合いが苦手な子でも楽しむきかっけになると話していました。

もう一つ、例えば劇場で公演をする場合、そこで働く案内スタッフにもコスチュームを着てもらい、事前に多くの情報を共有してチームに巻き込むということや、劇場の外のロビーにも舞台美術の一部や登場人物を配置して、待っている間から演劇空間に触れてもらうというものでした。
この準備にたっぷり時間をかけ、子ども達と関係性を築いていくプロセスが、あらゆる子ども達に本当に意味で演劇を楽しんでもらうことの最大のポイントなのだと思いました。
コミュニケーションは演劇が始まるずっと前から始まっているということです。美術監督であるアマンダは、見えない準備の部分を「氷山の一角」と説明していました。

 

「探求するためのフォーカス」 

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オイリーカートの創作において特筆すべきは、1回あたりの観客が少人数であり、前述したように障害の種類などによって対象も限定しているということです。
極端な例で言えば、ハイドロセラピープールというセラピー用の特殊なプールの中で行うパフォーマンスの1回あたりの観客は2人。セミナーで拝見した映像には、子どもの他に付き添いの先生、そして俳優がいました。また、プールサイドではインドネシアガムランアボリジニのディジリドゥなど民族的な低音楽器が演奏され、プールの中では長低音ボイスの俳優が、自分の胸に浮かんだ子どもの足をつけて、歌いかけます。

聴覚が弱い子どもにとって、低い音の振動は足の裏から身体を伝わって頭まで届きます。通常の音楽ではコミュニケーションがとりにく子どもであっても、少し方法を変えれば可能になるのです。
また麻痺や重複障害などにより、身体運動が制限されている子どもにとって、水の中での動きは通常とは異なる感覚をもたらします。俳優達は暖かい水の中に、そっと子ども達を浮かべ、子どもの名前を織りこんだ詩を優しく歌いかけます。水の中にも仕込まれた照明が暖かく包み込み、まさに“美しい”の一言。これを1日に8セッション、16人の子どもに提供するのです。

オイリーカートのパフォーマンスでは1人の俳優が1人の観客に働きかけるというスタンスがほとんどです。そのためとても俳優はとても近い距離で子ども達に接します。
自ら動かすことができる身体が少ない子どもほど、息遣いや視線、ほんの少し動かせる筋肉の動きにリアクションが表現されます。俳優達はそれを見逃さず、何が好きなのか、どのアイテムに反応するのかを見極めていくのです。準備したアイテムの全てが響くわけではありません。素直な子ども達は全く反応せず、走り回り、部屋から出て行くこともあります。(ちなみに部屋から出ていった子ども達が落ち着くためのスペースも用意しているそう)
でも俳優達は彼らが反応するものを見つけるまでオファーし続ける。準備だけでなく、上演中にも絶え間ない探求が行われているのです。「演じるより、応える」とティムが話したように、俳優は通常の演劇とは異なる在り方が求められるのです。

対象者をフォーカスすることは、1人1人を演劇の非日常世界へ誘うために、必要不可欠といえます。
それは社会的マイノリティーを本当の意味で排除しない、誰もが芸術を楽しむ権利を守るということなのです。

 

「活動を支えてきた想い、そしてこれから私達がすべきこと」 

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今から35年前、英国で3人の芸術家が始めたこの活動は、すぐ受け入れられるものではなかったといいます。ティムは設立当初の周囲の言葉を、「そんな幼い子どものための演劇?そんなの無理だ」「集中できないし」「すぐ母親のもとへ走っていってしまう」と、振り返ります。
また始めは、パフォーマンスエリアに観客席が向いていて、区切られた空間になっている、いわゆる額縁舞台の形式をとっており、子どもがパフォーマンスエリアに入ってこないようロープを張ったこともあったそう。
それからの試行錯誤や探求については前述した通りです。決してビジネスとして成り立たない活動を、地道に伝え続け、寄付を募り、多額の助成を受けてきたといいます。
そして2011年芸術監督であるティムは、エリザベス女王から勲章を得ました。
それらの道のりを支えていたものは「子どもが好きだから」というシンプルな想いでした。

翻って日本では、どうか?最近では障害者差別解消法が施行や、パラリンピックに向けた文化政策の中でも障害者芸術への期待が高まりなど、障害者と芸術を取り巻く環境は変わりつつあるのかもしれません。また幼い子どものために著名なオーケストラがコンサートを開催したり、全国各地でも児童劇団が地道な活動を続けています。
しかし、オイリーカートから学んだ「対象をフォーカスし、より深く届く芸術体験」を実践する例は、決して多くありません。受け入れることと、本当の意味で伝える・伝わることは違うのです。

生で観た演劇作品が、聴いた音楽が、大きな感動をもたらし、その後の人生にも深く影響を及ぼす体験は、多くの人にあるのではないでしょうか?
障害を持った子どもや幼い子どもにとって、たとえ正確な記憶に残らなくても、何か暖かなものに包まれた心地よさ、歌いかける声の優しさ、光の美しさは、彼らの深く奥に届くはずです。そういう演劇がもっと必要だと思います。

オイリーカートの学びを共有した者として、スタートラインに立った今、走り始める用意をしなければなりません。時間をかけて、でもどんな時でも“楽しむ”ことを忘れずに。

「自分が心の底から楽しいと自信を持つことが、子どもが楽しむ一歩」
ティムが教えてくれたことの一つです。



※オイリーカートのホームページでは作品の動画や写真、レビューのほか、文中に出てきたソーシャルストーリーもご覧になれます。ぜひチェックしてみてください。またYoutubeではたくさんの動画を公開しています。
http://www.oilycart.org.uk/

『大人時間なオドリノタネ』

大人4名の大人時間のオドリノタネの始まり。
さて、さて。どんか大人時間が始まるか⁈
ファシリテーターは渋谷裕子さん。

身体を起こす作業から始まった本日のオドリノタネ。くるぶしから足の指〜ふくらはぎ〜首をマッサージをしながら今日の自分の身体と対話するように指で丁寧に温めていく作業から始まりました。
  
身体をマッサージすると血行が良くなり身体もポカポカ。
気持ちもポカポカ!
肌ツヤも良くなるのを実感。

自分の身体が今どんな感じか?温まっているか?自分の体と向き合う良い時間になりました。


身体が温まったところで輪になって動作をお隣へ回していきます。まずは手を叩き⓵お隣へ⇨手を叩き腰をひねり⓶お隣へ⇨手を叩き・腰をひねり・さらに足蹴り⓷お隣へと動作を増やしていく。
だんだん動作が増えていき、難しいと思っていくなかでもさすが大人時間。
動作も、息もピッタリ!

身体も気持ちも一体感もバッチリ。

そこで裕子さん『今たべたい物は何ですか?』…。

………食べたい物…。思案中…

!仙台芋煮⇨!エビチリ⇨!焼肉⇨!ジンギスカン⇨!牛タン⇨!パッタイ。。。この流れで5分くらいの
とっても不思議で魅力的な演出が産まれました。
何度も〜ものにしたくて確認動作も交えて大人4名・ファシリテーター1名・お手伝い1名の6名の個々の演出のもと踊りました。
大人、オドリノタネ。
素晴らしかったぁ!

…そして静かに
幕を閉じました。

参加者の皆様より〜
今までにない楽しみを発見しました。
楽しかった。
との言葉を頂きました。

お手伝いの私も楽しかった!
本日、
大人時間のオドリノタネ。
自分自身の体と向き合う事もでき、表現という形でまた違う楽しみを満喫した時間でした。

次回はどんなオドリノタネが待っているか。
楽しみです!(しらとりしほ)

11月オドリノタネ日程と場所

 

真剣に遊ぶ。感覚を呼び起こす。

 10月22日のオドリノタネは、まさに、タイトルの通り。
大きなお手玉をキャッチボールしながら、参加通しの名前を呼び合うゲームでスタート。
お題に合わせて想像したものを、同時に口に出し身体で表し、オニがそれぞれを、聞き当てるゲーム。

先月の、すんぷちょ公演中でもやった、わらべ歌で始まる真似っこゲーム。

なぜか?椅子取りゲーム。

 参加者唯一の子どもが発案の、「音楽をかけて、お手玉を回し、音楽が止まった時に、お手玉を持っていた人をこちょこちょする」ゲーム。

なんだ!オドリノタネって、踊るんじゃないの⁈ゲームばかりやってるじゃん!
いえいえ、ゲームって、勝ち負けだけじゃないんだよ。
勝つためには、色んな感覚を、フル稼働させなきゃいけないんだよ。

しかも、オドリノタネは、子ども、大人、みんなが一緒。
小さい人も、障害ある人も、ハンデなく、一緒に遊べるように、皆んな、考える。
それって、なかなか、頭も身体も使うんだよ。

ゲームとゲームの間には、誰かを怖がらせてみる遊び。
これは、先日、すんぷちょで招いたイギリスの劇団、オイリーカートのワークショップで実践されたもの。

誰かが、目をつぶって、椅子の上に座る。
皆んなが、その人を、部屋にあるもので、怖がらせる。
特別なものがない部屋で、あるだけの知恵を働かせて。
スリッパ、ペン、ファイル、鍵、上着、掃除機、カーテン、椅子、または、声。 叩く。こする。振り回す。扇ぐ。揺らす。

怖がさられる本人は、視覚以外で、周りの気配を感じる。
遠くの音、近くの音、空気の揺れ、人の気配。 特に、急に近くに来る、人の気配にびっくりする!
突然、近くで上着をバサッと振り降ろされる音に、ビクッ!としたりして。

怖がる人、怖がらせる人、想像力を発揮させた真剣勝負。
見えないってだけで、感覚って、こんなに敏感になるんだ!って、その場にいる、みんなが思ったよ。

楽しい遊びの中で、呼び起こされる、自分の感覚。 それは、踊るだけじゃ分からないものだったかも。 最後は、おなじみの音楽で、みんなで踊る、いつものオドリノタネだったけどね(さとうじゅんこ)

【11月オドリノタネ日程と場所】
http://www.sun-pucho.com/news/11%E6%9C%88%E9%96%8B%E5%82%AC%E3%82%AA%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%8E%E3%82%BF%E3%83%8D%E6%97%A5%E7%A8%8B%E3%81%A8%E5%A0%B4%E6%89%80

ダンスの前にじっくり魚拓づくり!

10月29日のオドリノタネは大人2名の方に参加していただきました。

今日はこどもっちがいないのでメンテナンスをしましょう〜と言うことで、ぽんぽんぎゅっぎゅをじっくりしました。 ぽんぽんぎゅっぎゅは、2人組みになって、横になっている相手にぽんぽんぎゅっぎゅとマッサージのようなことをすることです。


今回は、あおむけとうつぶせになって、じっくりと。 まるで、魚拓を作ってるみたい。
整体師などがするマッサージは技術を必要としますが、これはありません。 してあげる人は、相手の大皮質に働きかけるように「脳の地図」をつくる手助けをしていきます。
普段生活する中で、無意識に身体を動かしたり、動かすことの少ないところを脳に教えてあげるのです。 ぽんぽんぎゅっぎゅ。
してもらった人は、寝ている時はあまり変化を感じられませんが、歩いてみると効果をそれぞれ実感することができました。
私は、普段は事務仕事で多くの時間をイスに座って過ごしています。
姿勢が悪いのか、呼吸を深くしようとするとあばらがポキポキとなったり、深く吸えないような感覚がよくありました。 ですが、ぽんぽんぎゅっぎゅっをしてもらって、呼吸をしてみると・・・ スッと深い呼吸ができていました。

マッサージのように特別な技法は必要なく、誰でも相手にやってあげることができるぽんぽんぎゅっぎゅ。 おかげでその後のダンスを思いっきり楽しむことができました。
今週からは11月。 このところ寒さが続き、カチカチになりがち身体をぜひダンスでほぐしましょう〜

次回は、10-box box-3です。 みなさんの参加、お待ちしています。(きくちまお)

月1回、わくわくして待ってる日。~宮城県障害者福祉センターワクワクダンスワークショップ~

すんぷちょは2013年より宮城県障害者福祉センターとの連携を深め、月に1回障害の有無に関わらず誰でも参加できる「わくわくダンス」をセンター様主催で開催しています。
毎回20人を超えるたくさんの参加者が、自分の踊りたい曲を持ち寄って踊りまくる!などとても盛り上がるワクワクダンス。
9月の開催ではすんぷちょ会員の方が参加してレポートを書いてくださいました!

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時間になるとお馴染みののメンバーが現れ、賑やかな会話の後『わくわくダンス』の始まり。

円のように配置した椅子に座って、大きなぼた餅みたいなお手玉をまわして
声には出さないけど…よろしくって気持ちを込めて。お隣へ。
 
次は『さす』と言いながらある決まった動作をお隣にまわしていく。『ぼよよ〜ん』と言って跳ね返しても良く、『ばんっ』と言ってお目当の人に飛ばしてもいい。これがなかなか難しい。いつ自分の所に来るかドキドキしてしまったり、個性が飛び交ったり。難しさもあるけど、そのなかでだんだんとみんなの気持ちや身体が暖かくなり、顔もほころんでくるから不思議。
間違っても大丈夫。
時間がかかっても大丈夫。
難しかしいって思ったら違う人にまわしてね。
なんていう安心した気持ちになるのかなと思いました。
身体も暖かくなったところで、参加者お気に入りのCDをかけてのダンスタイム♬厳選されたお気に入りのCDだけに踊りもキメ顔もバッチリで、椅子を並べただけだけど、360度のコンサート会場のような盛り上がりの空間に。大人なキレやセクシーが漂う踊りもあり、すごい!一緒にいた娘もビックリしながら見惚れていました。


車椅子の方も、身体いっぱいにリズムをとり、笑顔でノッていられたのが印象的でした。
身体で感じる事はきっと忘れない。
お馴染みの曲が流れると、みんなの身体が自然に踊りだす。振りもバッチリで踊る。お喋りしながらだって身体は曲に合わせて動くんだよね。


しょうがいとは何だろう?お互いを理解するだけで、こんなにも楽しい時間を過ごせる。押し付けるお手伝いではなく、自然なお手伝いがお互いに心地良い。
そしてまた来たい場所になるのだなと感じました。『わくわくダンス』の時間。
とてもわくわくする楽しい時間でした。(しらとりしほ)

なぜ生きるためのダンスなのか?~すんぷちょ舞台公演2016の稽古で見えてきたこと~

すんぷちょ公演間近となり、稽古も舞台仕込みも佳境に入っています。
本番近くなってくるともちろん、作品の仕上がりもぐぐっと良くなったり、キュンとする場面がいくつもあったり、日々進化していくのですが、それだけではない出演者の成長を感じる瞬間も、みなさまにお伝えしたいすんぷちょのクリエイションの良さの一つです。
そしてそれが、今回のチラシで「生きるためのダンス」と称した理由の一つです。

      

今日の通し稽古(途中でとめずに初めから通してやってみること)でのこと。
毎回すんぷちょの作品には子どもを連れたお母さんが参加してくれます。私も去年の舞台に0歳9ヶ月の娘と出演しましたが、子どもの年齢によって、作品中では子との関わり方が違ってきます。

基本的には子どもたちは自由にしています。
パフォーマンスに必ず参加しなくてはいけない、一緒に振り付けを踊らなければならない、ということはありません、特に低年齢の子どもたちはパフォーマンスする出演者と客席空間を縦横無尽に走り回ったり、かと思えばしっかり作品に関わっていたり、入ったり出たりを自由に行き来しています。


でもそれは完全に目を離しているということではありません、むしろ逆で大人が作品に集中しつつも意識の端でつねに子の動きを感じていて、また関わり合い方を工夫しながらうまく作品に誘導したりもしま
す。でも強制はしない。この絶妙なバランスをとりながら、とりわけ子連れのママたちは参加してくれているのでした。これちょっとしたトレーングが必要だったりします。
        
今回の出演者Aさんと、娘のBちゃんは2014年のひゃくねんモンスター、2015年ぶこきがアンサンブルに続き3作品目の出演ですが、今年小学校にあがったBちゃんは去年までのBちゃんとちょっと違いました。主張もはっきりしてきたBちゃん。稽古中にぐずることもあります。ママは去年までの関わり合い方では、対応しきれない、と悩んでいました。今回が一番難しいと。

そんなAさん、今日の通し稽古のあとみんなに言いました。
「みんなに改めて確認したいんだけど、Bちゃんのことみんなに任せていいのかな?みんなのところにふっと行ったとき受け入れてもらって、一緒にパフォーマンスにうまく誘導してくれるかな?改めて聞いてみたくて。」

他の出演者からは「もちろん!」の一言!
小学3年生のメンズからは「まかせて!」の頼もしい一言!

人に頼るって簡単なようでいて難しい。子を放つ、自由に、それは周りを信頼している証拠。
そしてママにも勇気がいる。

  
こういう一人の決意の瞬間に立ち会えることが、なんと尊くて美しいのだろうと思います。
そしてこのチームの優しさもまた、とてつもなく頼もしくてかっこよくて誇れることだなと思います。

14人の出演者、14通りの決意や新しい一歩が、いくつもちりばめられている作品です。
しかも毎回違うドラマが起こる!

1人でも多くの方に、いまの時代に、観てほしいと願っています。
ご来場心よりお待ちしております。

チケットご予約はこちら!
すんぷちょ舞台公演2016「FRaGment」
日程:2016年9月22日(木)~25日(日)
場所:せんだい演劇工房10-BOX box-1

振り付け・構成・演出原案:レイチェル・スミス  構成・演出:西海石みかさ
振り付け補助:渋谷裕子 音響:本儀拓(KIWI SOUND WORKS) 照明:高橋亜希 舞台監督:山澤和幸 美術:大沢佐智子 宣伝美術:三月文庫 制作:佐々木一美 プロデューサー:及川多香子

子連れでジャズフェス楽しもう!~定禅寺ストリートジャズフェスティバルでキッズエリアを企画しました~

仙台の街中が音楽で溢れるイベント、「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」が9月10日~11日に開催されました。

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NPO法人アートワークショップすんぷちょは、NPO法人ボランティアインフォのご協力のもと、子連れでも楽しめて、休憩や授乳、オムツ替えなどができるスペース、「キッズエリア」を企画、運営しました。
野外でのライブが醍醐味!というジャズフェスですが、子連れだと歩きつかれたり、ご飯を食べる場所や授乳、オムツ替えスペースを外出先で探すのは一苦労。
そんなママパパ達にもぜひゆったり安心してジャズフェスを楽しんでもらいたい!という想いから、今回のキッズエリア設置となりました。

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キッズエリアといってもそこはすんぷちょ!アートワークショップも一緒にやろう!ということで、手作り楽器を作るワークショップ開催しました。
ガチャポンのケースで作るマラカスは子ども達に大好評!
音が出るように中に入れるお米が少なくなってくると、森の中から木の実や小石を拾ってきて入れる子もいました。マラカスはモールやシールで装飾したり、色を塗ったり、自由にカスタマイズして自分のお気に入りを作ることができます。
マラカスでライブに参加することで、子ども達もジャズフェスをより楽しむことができていれば嬉しいですね

授乳やオムツ替えにはボランティアインフォさんにお借りしたとっても可愛い三角テントを使いました。

中に入ると思っているより広く、風が抜けるので涼しく感じます。
朝10時~17時の開放でしたが、オムツ替え、授乳、乳幼児連れの食事など、ひっきりなしにご利用される方がいらっしゃいました。
今回初めてやってみて、キッズエリアの需要を感じました。

来年は子ども達と作った楽器を持ってパレードに出てみたり、ステージで子どもが楽しめるバンド演奏をお願いしてみたり、と更に充実させていきたいと思います。乞うご期待です!(おいかわたかこ)